第4項-2 「腸内 善玉菌が喜ぶ」発酵食品

腸内細菌槽に良い事!その2 「補菌」 有用な菌そのものを摂取する(プロバイオティクス)。

発酵食品は腸管免疫の活性剤

よくある「生きたまま腸に届く」は、あながち間違っていませんが、残念ながら胃酸や胆汁でほどんどの菌が死菌となります。また腸内に入ったとしても菌の停滞時間は短く「大抵の菌はそのまま通過(排便)」します。ただ短期的にでも腸内で「乳酸・酪酸など」の有機酸を生産したり死菌自体が善玉菌のエサとなったりして腸内細菌槽の恒常化に役立っています。

だからこそ

「毎日少しづつでも摂取し続ける」ことが大切だと言われています。

つまり簡単に言いますと

積極的に 発酵食品を食べましょう

と言うことです

発酵食品の有益性は沢山のサイトで紹介されています。ただ実際の「栄養成分の含有量は微量」だとか「あまり効果は期待できない」という意見の方もいます。ただ昔から経験的に「身体によい」発酵食品を日本人は食べ続けてきた食文化を持っています。日本人のDNAが発酵食品(有益成分)と作用して免疫機能を活性化するように進化したのかもしれません。繰り返しになりますが

毎日少しずつでも食べ続ける」ことが大切です

 

私も良く参考にさせていただいている小泉武夫(農学博士 東農大名誉教授)氏のサイト
https://koizumipress.com/ です。よろしかったらご覧ください。

 

 

ぬか漬け  ご飯との相性は最高です(私的)。 米+健やか=糠

ぬか漬けには乳酸菌(植物性)や酪酸菌が豊富に含まれています。これらの菌が生産する乳酸や酪酸は腸内でHPを弱酸性に傾かせ善玉菌を優位にする働きがあります。
特に酪酸菌は今大注目の菌で長寿菌とも呼ばれ、京丹後市のご長寿の方の腸内には酪酸菌が優位に多くみられました。酪酸菌短鎖脂肪酸の生産にも関与し乳酸菌ビフィズス菌の発育を助けることも分かっています、さらに大腸皮質のエネルギー源や粘膜の修復などにも重要な役割を果たしています。

ぬか漬けに含まれる酵母は腸内で日和見菌となりますが善玉菌が優位であれば相乗効果も見込めます。
ぬか漬けの素晴らしいところは野菜(食物繊維オリゴ糖)を一緒に摂取できるところです。善玉菌のエサにもなるのです。
更にぬか漬けした野菜はビタミンB1の増加など「生の野菜より栄養価が上がる」ことが分かっています。ぬか床には「ビタミンA・B郡・Eや酵素(植物由来)など」様々な有益成分が含まれています。
これらの成分が「ぬか漬け」する事によって野菜に浸透し食べる事によって摂取できるのです。

特にビタミンB1は第2項で話しました「免疫のかなめパイエル版」に深く関与していると言われています。
「NHK美と若さの新常識」2019・12月より

この番組に出演されていた國澤先生(医薬基盤研究所)いわく
ビタミンB1以外にも免疫には様々な要因(ビタミン・ミネラル・酵素など)が関与しているので出来るだけ食事から摂取することが望ましい。もしサプリでビタミンB1を補給する場合はあくまで緊急摂取ならアリ。そしてお酒の飲み過ぎに注意!」とのことでした。
ちなみに、ぬか漬けで補給できる酵素は体内の「消化酵素代謝酵素」を助け、胃腸の負担を軽減し、腸内環境の恒常性に重要な役割を担っています

免疫に関連した「ぬか漬けの研究」も行われています。

ぬか床に含まれる「乳酸菌K15」を12週間摂取した、ヒトの唾液中の
分泌型抗体(IgA免疫グロブリン)濃度が有意に上昇することが示された
キッコーマン

ぬか漬けの乳酸菌は腸内で免疫細胞(樹状細胞マクロファージ)に作用して
インターフェロンという抗ウィルス物質を生産させます。

産業技術研究所


●味噌・醤油など「麹(こうじ)菌 ニホンコウジカビ」
由来の食材

味噌に含まれる乳酸菌は腸内を弱酸性に保ち、日和見菌が善玉菌に加勢、腸内細菌叢の恒常化に繋がります。
味噌に含まれる大豆オリゴ糖は善玉菌のエサになります。また一般的な味噌の食物繊維含有量は約4g(100gあたり)なので海藻類とキノコ類+野菜を「具」にして摂取することで、摂取量の相乗効果が得られます。
味噌の具に参照ください。「野菜の栄養素ランキング https://vegetable.alic.go.jp/eiyou/eiyou1.htm」

味噌は疲労回復や健康維持に効果があると言われています。それを経験的に分かっていたのは、戦国武将たちです、味噌は戦場の常備食としてよく使用され、伊達政宗の仙台味噌武田信玄の信州味噌徳川家康の八丁味噌などが有名です。豊臣秀吉は中国大返しの時、走り続ける兵たちに休憩所で「味噌は必ず食べろ」と指示したそうです。

現代では味噌の有益効果について様々な研究がなされています。

味噌や醤油の茶褐色はメラノイジン(アミノ酸と糖類が反応してできた色素成分)いう抗酸化物質が含まれています。メラノイジン入りのエサを与えたマウスの腸内で乳酸菌が数十倍に増え、便の停滞時間が半分になりました。またメラノイジン食物繊維のような働きをして、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らしてくれます。 女子栄養大学
味噌や醤油、清酒の製造には古くから「麹菌(コウジカビ)」が使われています。麹菌の生産(分泌)物の一つに酸性プロテアーゼという酵素があり摂取したマウスの腸内ではビフィズス菌の増加が顕著に示されました。 広島大学
ヒトに大豆ペプチド(8g)を毎日、1か月間摂取したところ、白血球総数の増加リンパ球、単球、好中球の増加、そして抗体免疫グロブリンIgM、IgA)の増加がみられました。 愉快本舗

味噌に含まれる大豆ペプチドやレシチンは血流を良く(血管恒常化)する作用があります。その結果白血球(免疫細胞)や病原菌が侵入したときの伝達物質(インターフェロン※ご述など)の循環をスムーズにすることが出来ると考えられています。

※味噌を選ぶときは原材料(容器に表示)もチェックしてみてください。
大豆(国産)・麹(米、麦、豆)・塩(天然)この3つが主原料です。
これ以外に何か入っていると添加物の可能性があります。例えばアミノ酸等(うま味調味料)・ビタミンB2添加物(色をよくする)・酒精(発酵を止めるアルコール添加物)などです。健康被害があるわけではありませんが、有益な菌や栄養素が、思ったほど(ほとんど)摂取できない可能性があります。
自信をもって販売されている味噌は堂々と「生みそ」「生きている」「有機国産大豆」と掲げています。天然醸造の蔵元やマクロビ通販から取寄せたり、ご自宅で「手前味噌(塩分ご注意)」を作るのもオススメです。
※ちなみに味噌は漬けこみ時間が長ければ長い(1年物より2年物・3年物より5年物)ほど、有益成分量が増していると言われています。

 

納豆 大豆オリゴ糖と良質なタンパク質

江戸時代1695年の「本朝食鑑」には、「納豆は腹中をととのえて食を進め、毒を制す」との記述があります。300年も前の日本人は納豆に整腸作用のあることを経験で知っていたのかもしれません。※当時の庶民は「納豆汁(みそ汁)」で食べていたそうです。

納豆と言えば納豆菌(稲わらなどに棲む枯草菌の一種)

 納豆菌は、納豆になる過程(発酵段階)で有益な生産物を作ります。代表的なものにビタミンB1・ナットウキナーゼ・ビタミンk2(メナキノン)があります。

ビタミンk2(メナノキン)カルシウムを骨に沈着させるなど、骨の形成促進で重要な役割があります。骨粗しょう症治にも治験応用されています。
そして骨と言えば骨髄!ご承知の通り骨の中に骨髄はあります、第1項でお話ししました白血球(免疫細胞)生産は「健康な骨」から出来ています。つまり納豆由来のビタミンk2は免疫細胞生産に不可欠なビタミンなのです(ちなみに納豆のビタミンk2含有量は煮豆の時の約100倍)。

納豆のネバネバ成分フルクタン水溶性食物繊維)や大豆オリゴ糖腸内善玉菌のエサになります。

納豆菌腸管上皮質のバリア機能を高め、樹状細胞の機能アップやT細胞の増強に関与しています。

 

おかめ納豆で有名なタカノフーズさんのHP」より一部抜粋
マウスに「納豆」や「納豆菌」を与えて、4週目、8週目の糞便中の細菌叢を解析しました。実験の結果、「納豆」や「納豆菌」を摂取したマウスは、非摂取のマウスではみられなかった腸内でラクトバシルス目 (乳酸菌の仲間)が増加していることが確認できました。
ヒトの実験で腸内の善玉菌を増やす食べ物を比べた報告があります。納豆、ぬか漬け、キムチ、サツマイモで比較している。5人ずつ4チームに分かれ、それぞれの食材を200グラム、2週間食べ続け、実験前後でビフィズス菌の増減を調べた。実験結果は実験前に比べ、いずれの食材でもビフィズス菌は増えていましたがその割合は、納豆では12%、ぬか漬けでは8%、キムチでは6%、サツマイモでは3%でした。
※私的:ぬか漬けやキムチ、芋など納豆と一緒に食べると相乗効果が期待できます。

 

(左図)全てではありませんが、欧米型や添加物を多く含んだ食事・過度のストレス・睡眠不足などによって、悪玉菌が優勢になると便の排出(蠕動運動)が停滞し、腸内には腐敗菌が増え、毒性のメタンやアンモニア、硫化水素などの有害物質や、発がん性物質が増えます。これらの有害物質や発がん性物質は、腸から吸収され、血液を循環し全身へ運ばれ体調が崩れやすくなります。
何より免疫細胞が活性出来ず、ウィルスや病原菌に感染しやすくなったりガン細胞の増殖も止めにくくなるのです。

(右図)一方で納豆を食べる事によって腸内には納豆菌が停滞(停滞時間は他の菌と比べて少し長い)します。納豆菌強い増殖力で悪玉菌を抑え、良い相関関係にある善玉菌を増殖させます。結果としてビタミンアミノ酸生産力がアップし、ミネラルの吸収も効率よく行われます。ビタミンアミノ酸ミネラル免疫機能の活性に重要な役割を持っています。また便の停滞時間も短くなり、有毒物質が腸内で増えにくくなるのです

納豆菌は胃酸でも胆汁でも死なずに「生きたまま腸に」届きます。

 

納豆菌の「免疫細胞への賦活作用

「産業技術総合研究所」が行ったマウス細胞の培養実験

納豆菌を与えたマウスの樹状細胞に対して、TNF-αIL-10IL-6 のいずれに対しても発現を増強した。脾臓由来ナイーブT 細胞骨髄由来樹状細胞の共培養に抗原納豆菌を添加する試験を行ったところ、多くの納豆菌株においてT細胞からのIFN-γおよびIL-10の産生増強を確認しました。

納豆菌樹状細胞T細胞を活発にし、その結果としてインターフェロン(IFN)・インターロイキン(IL)という抗ウィルス物質(タンパク質)の生産が増強されました。詳しいメカニズムはいまだ途上段階ですが、腸内環境因子としては食物と腸内微生物が多くを占めており、それらの成分が自然免疫シグナルとして免疫システムを賦活する。このような腸管を起点とした免疫機能の成熟は、身体の恒常性を維持(ホメオスタシス)する上で想像以上に大きな役割を果たしているのではないだろうか。」  としています。

用語説明
インターフェロン(TNF)とは病原体(特にウイルス)や腫瘍細胞などの異物の侵入に反応して細胞が分泌する蛋白質のこと。ウイルス増殖の阻止や細胞増殖の抑制、免疫系および炎症の調節などの働きをする生理活性物質の一種】
インターロイキン(IL)とはT細胞(免疫の司令官)から分泌される細胞(主に免疫)間伝達物質】インターフェロンαβリンパ球(T細胞、B細胞)、マクロファージ、線維芽細胞、血管内皮細胞、骨芽細胞など多くのタイプの細胞で産生され特に抗ウイルス応答の重要な要素でありマクロファージNK細胞をともに刺激し、腫瘍細胞に対しても直接的に増殖抑制作用を示す。(詳しくはI型インターフェロンの項を参照)    [Wikipedia]より。

 

納豆菌で未病改善

1:樹状細胞 2:T細胞 3:キラーT細胞 4:B細胞 5:抗体(免疫グロブリンIgAなど)
(左図)ウィルスが侵入し細胞が感染してしまってから免疫反応が起きても若年層の方や、いわゆる元気な方なら新たな細胞もできて、完治すると思いますが、(右図)免疫細胞が常時活性していれば、ウィルスが細胞に侵入する前の早い段階で防御・攻撃が出来ます(樹状細胞の活性などが重要)。高齢の方や疾患がある方の場合はウィルスによる細胞感染が起きない様に「普段から免疫機能を活性化させている」ことが大事なのです。

【食べ方】

納豆菌の耐熱温度は120℃です。
加熱もOKですが、温度を上げ過ぎないように注意して調理しましょう。
乳酸菌は死菌でも腸内環境を整える効果があるといわれていますが、生きたまま摂りたい場合は加熱せずに食べるようにしましょう。
また、納豆の有効成分「ナットウキナーゼ」も70℃以上の温度で効果が下がると言われています。血液サラサラ効果を求める場合は生がおススメです。※抗凝固剤を服用の方は主治医に要相談

 

その他

乳製品は腸内環境に役立つものも含んでいます、身体に良いと多くの専門家がおっしゃっていますが、当館の献立で使用しておりませんので割愛させていただきます。すいません。